- 採用情報サイトTOP
- 人を知る
- キャリアステップ
- 社員02
02:アジア・大洋州三井物産株式会社マニラ支店【出向】CAREER STEP

学生時代から入社まで

学生時代からの趣味はサッカーと映画鑑賞。正直、学業より完全に遊び優先でした(笑)。思い出は東南アジアを激安旅行したこと。特にマニラのにぎやかな夜と、エネルギッシュな国民性に感動しましたね。大学時代で学業に身が入ってアメリカに留学しましたが、就活開始も遅れました。
強いて言えば「商社」を志望した理由は、営業職の花形だったからです。当時は景気が良かった鉄鋼業界で商社の中でも三井物産スチールは設立直後。「国内ナンバーワン」を目指して秋採用をかけており、面接でお会いした人事部の社員の雰囲気に好感も持てました。
無事に内定をいただきましたが……自分がついていけるのか不安なスタートでした。
CAREER STEPSキャリアステップ
- 2009年
1年目 -
管理本部 審査部に配属(部署は当時の名称)
書類に囲まれながら、外の世界に憧れた入社当時の三井物産スチールは、営業志望でも商社のビジネスの仕組みを学ぶために初年度は管理本部からのスタートでした。同期のメンバーも経理部や人事部に配属され、私は主に取引先の信用審査を行う「審査部」に。
業務内容は、営業部と連携しながら取引先の業態の定期的なモニタリング、財務内容の分析、債権担保の手段などの検証です。目の前には顧客でなく、書類の山。社内のフットサル部に入り、よくしていただいた営業部の先輩に「早く一緒の部で働かせてください」と訴えたことを覚えています。
希望の営業職とは異なる管理中心の業務に打ち込む日々に気が滅入ることもありましたが、この経験がのちの仕事で大いに役に立つことになります。身についたスキル
- 財務分析、企業法務、債権債務に関する基礎的な知見
受注だけでなく債権回収まで責任を持つ営業担当にとって必須のスキルです。
- 財務分析、企業法務、債権債務に関する基礎的な知見
- 2010年
2年目 -
第一部門鋼管・建材貿易部 建材貿易課に配属 (部署は当時の名称)
待ちに待った営業職。輸出入の仕事でミスが……2年目、建材製品の物流を担う建材貿易部に異動を命じられました。フットサル部の先輩が在籍する部署で、担当は中東・東南アジアへの建材製品の輸出業務。当時の三井物産スチールでは唯一の海外事業でした。オフィスは国内、商談は海外出張の時くらいしかありませんが……。待ちに待った営業の現場。
配属して1年ほど経ったころ、忘れられない失敗もありました。所属部署では主力建材製品である「H形鋼」を海上輸送でドバイの客先に送った際、船底で商材が海水に浸かり重度のサビが発生。当社で手配した船会社ははじめての取引先で、起こり得るリスクに対して十分な準備ができていなかった私のミスでした。身についたスキル
- 実商売を通じた物流・決済業務のノウハウ
取引前の想定リスクの洗い出しとその対策の重要性を、頭だけでなくカラダで覚えました。
- 実商売を通じた物流・決済業務のノウハウ
- 2013年
5年目 -
インフラ国際物流部に配属 (部署は当時の名称)
未知の商材「鉄骨」。
関係各社のまとめ役にステップアップ建材貿易部に2年在籍し、プラント用鉄骨の輸出入を行うインフラ国際物流部に異動しました。担当は入札時の見積作成、製作管理、物流などです。
顧客は同じく海外ですが、新しい上司とメンバー。そして当時は社内には知見がなかった商材「鉄骨」を扱うことになりました。
鉄骨は建材を加工し生産するため、メーカーに加えて加工会社の製作が商流に入ります。管理が複雑化し、スケジュール遅延も起こりやすい。なにもかも手探りで勉強しながら進めるなかで、私は工程全体を管理するプロジェクトマネージャー(PM)のような立ち位置で関わるようになりました。身についたスキル
- 製作物の供給網組織とプロジェクトマネジメント業務の基礎
各所のパートナーとの信頼関係構築の重要性を学びました。
- 製作物の供給網組織とプロジェクトマネジメント業務の基礎
- 2015年
6年目 -
インドネシア三井物産株式会社に出向
初の海外駐在。異文化のなかで経験できた新たな商売ついに日本を飛び出すときが来ました。駐在先はインドネシアのジャカルタ。三井物産グループの全営業部が拠点を置く重要なマーケットです。
メイン商材はH形鋼と鉄筋。当時は鉄鋼製品の輸入に対する規制が厳しく複雑な手続きが求められたためインドネシア国内で商材を手配しなくてはなりませんでした。慣れない異国で、時には数年単位でかかるプロジェクトのサプライチェーン上で生じる債権回収リスクをどう管理すべきか? 知恵を貸してくれたのはジャカルタ支店の経理部長。商社・加工業者・施主の共同口座に資金を預ける「エスクロー口座活用の取引」を教わり、成約に結び付けることができました。
振り返ると、お客様と対面で商談する営業はこの時が初でしたね。ジャカルタは当時世界一の渋滞で、毎回客先にたどりつくまでにひどい車酔い状態でしたが(笑)。身についたスキル
- インドネシアの建設業界と鉄筋販売を通じた建設現場の知見
- 出向先での各部署とのコミュニケーションと調整スキル
- エスクロー取引含むトレードファイナンス
ここで取引先の財務状況を分析する審査部での経験も活きました。
- 2017年
8年目 -
プロジェクト鋼材部門 インフラ事業第二部に配属 (部署は当時の名称)
帰国後、5件のプロジェクトを並行して担当。
「商社」の仕事とは何だろう?インドネシア出向から2年経ち、三井物産スチールに帰任しました。担当は大手ゼネコン向けの火力発電所のプラント建屋・工場建屋・東京2020オリンピック関連の施設など。1物件あたり3年ほどかかるプロジェクト向けの鉄骨供給です。
物流の供給網を統括する、いままでの経験がフルに活かされた現場であり、ゼネコンと鉄骨業者の間に私たち「商社」が入る意味に向き合う時期でした。材料の仕様変更、現場建方の優先度に沿った製作工程の調整、効率的な輸送プラン。コストパフォーマンスの良い中国の鉄骨製作会社と協力しながら、仕様変更などの状況が変化しても工期に間に合わせる。三井物産スチールにしかできない仕事を追求しました。身についたスキル
- 輸入鉄骨商売を通じたプロジェクトマネジメントの知見
- 2021年
12年目 -
アジア・大洋州三井物産株式会社 マニラ支店 鉄鋼製品部に出向
激動のキャリアを経て、もう一度マニラにたどり着いた現在、私はマニラに駐在しています。メインの商材は食品メーカー向けのブリキ製品と日系・地場コントラクター向けインフラ建材。
現地に根を下ろす日系企業や地場パートナーと協力しながら、アジア域内の当社グループのソーシングを活用して加工物流を組織し、顧客の希望に沿った調達を提案しています。
商社の仕事は長い冒険のようですね。様々な関係者と信頼を築きながら、かつて学生時代に訪れた場所に帰ってくることができた。
10年以上ぶりに接するマニラの人々は相変わらずエネルギッシュですが、ひどい渋滞の国になっていました。渋滞からは逃れられそうにありませんが、これも運命でしょう(笑)。
学生の皆さんへのメッセージ

振り返ると、私のキャリアは当社の鉄鋼事業の成長と重なります。海外事業と鉄骨の取り扱いを通じたプロジェクトマネジメント、海外駐在での営業最前線。
若手の時期から未開拓の仕事を任せられ、手探りで乗り切った経験が蓄積して現在に至ります。言い換えれば、三井物産スチールは社員に挑戦の場を与え続ける会社だと思います。
だからこそ、楽しくトライしてみる気持ちを大切に、飛び込んできてほしいですね。
当社は鉄鋼業界ですが、それに捉われず幅広い業界に興味と関心を持ち続けること。できるだけ多くの業種・コミュニティと触れ合ってください。人との関わりから得られる気付きと刺激は、他人に真似できない自分だけの財産になる。そこから次のキャリアが生まれるのですから。